ひとつの空間が担う役割を見直してみる
私たちは、知らず知らずのうちに固定概念にとらわれてしまっている場合があります。例えば、食事をする場所にはダイニングセットを置いて、リビングにはソファを置くものと思っていたりしてしまっていないでしょうか。その場合、ダイニングとリビングにそれぞれある程度の空間が必要になってきます。ダイニングとリビングを一体化し、ソファと低めのダイニングテーブルを組み合わせたりすることで、食事の場としても、団欒の場所としても活用しやすくなり、スペースを広く使えるようになります。狭小住宅では、このようにひとつひとつの空間が担う役割というものを一度見直してみることで、解決策が見いだせることもあるのです。
デッドスペースは徹底的に利用する
狭小住宅の場合、わずかなスペースも無駄にすることができません。階段下の部分にトイレや収納を配置したり、小屋裏収納や床下収納を設けたり。デッドスペースと思われる場所は徹底的に利用し、空間を有効活用するようにしましょう。また、壁面収納をうまく取り入れて、壁の厚みを利用するという方法もあります。わずかなスペースではありますが、本や小物、CDなど意外といろいろなものが収納できるものです。
視覚的な効果をうまく取り入れる
壁や建具などのように遮断するものがあると、空間としての認識はそこで途切れてしまいます。逆に、光を透過する素材を用いることで、空間的な広がりを感じやすくなるのです。できるだけ窓で外の光を取り入れたり、室内建具をガラス入りのものにしたりすることで、実際の空間よりも広さを感じるようになるでしょう。狭小住宅で少しでも広く感じさせるために、効果が期待できる方法のひとつです。
狭小住宅とは狭くて小さい土地に建てられる住宅のことをいいます。おおむね敷地が15坪以下の土地に建てられる建物をいいますが、明確な規定はありません。